気になるワキの臭いは汗をかくと発生しやすくなります。汗にはエクリン汗とアポクリン汗との2種類あり、強い悪臭がでるのはアポクリン汗になります。
アポクリン汗線はワキの下、耳の中、乳首、陰部など体毛が生えてくる部分に存在し、汗以外にタンパク質、脂質、糖質、鉄分、リポフスチン色素が含まれ、少しにごりのあるベタベタした汗になっています。
アポクリン汗腺がワキの下に多くある人は脇からの臭いがきつくなり、腋臭症といういわゆる「ワキガ」という症状なのですが、ワキガが病気ではなく体質であることを理解しておきましょう。
ワキガは遺伝からなり、親がワキガだった場合はあなたも高い確率でワキガになってしまいます。また、ワキガは思春期の大事な時期に始まり、終わりはありませんので一生付き合い続けなければならないのです。
自分の臭いであればなんとも思いませんが周りが同じようなワキガの臭いを発しているとちょっとイヤな気分になりませんか?
周りの人もあなたの臭いを不快に思っているはずです。
そんなことを考えながら生活しているのは疲れてきます。ですのでしっかりとした知識を身につけ正しい予防対策をすることで何も考えなくても良い生活環境にするととても楽な気持ちになります。
この記事に書かれていること
ワキガはどんな臭いがするのか
ワキガの臭いって老若男女問わず皆同じような臭いがします。臭いには特徴がありこのように例えられます。
- 鉛筆の芯
- 玉ねぎ
- グレープフルーツ
- ネギ
- 甘い
このような臭いに例えられることがあります。これのどれかという訳ではなく全てが微妙に混ざりあったイヤな臭いがしてきます。自分ではなかなか気が付きにくく、周りの人は敏感に気が付いてしまいます。
自分がワキガなのか分からない人やちょっと臭うかなと思ったらティッシュなどに拭き取って確認してみましょう。
ワキガかチェックするには
ワキガは人からうつされたり突然なるものではありません。ワキガは体質的なものなので生まれつき持った特徴とも言えます。ワキガになるのは遺伝的な要素が最も強く両親がワキガだった場合は、高確率で子供のあなたもワキガになっています。
但し、遺伝でなっていたとしても必ず臭う訳でもなく、臭いが出る人と出ない人がいます。
それ以外には、耳くそを調べます。耳くそには湿った人とカサカサの人と2種類いますが、ワキガの人は耳の中にアポクリン汗腺がありますので、湿った耳くそになります。
ドロドロの耳くそ程ワキガ体質が強く臭いがキツくなります。
ワキガの臭いを軽減させる対策
ワキガの臭いを抑えるには色々な方法があります。普段の食生活から簡単な予防方法を紹介していきますが、完全に治るものではありません。完全に治すのであれば手術をするしか手段がありませんので高額になってしまいます。
お金に余裕があるのであれば手術することをおすすめしますが、なかなか誰でもできる金額ではありません。普段の生活の中で予防することで臭いはある程度軽減させることができます。
ワキ毛の処理
ワキ毛が生えていると皮膚常在菌の増殖がしやすい環境になります。ワキ毛の処理をすることで菌の繁殖を抑え、制汗剤などの効果も出やすくなります。
参照脇の臭いは脱毛で軽減できる|脇毛をなくしてワキガ臭をやわらげる
毛の処理をする時はカミソリや電気シェーバーなどでキレイに処理するようにしましょう。
食生活の見直し
食生活を見直すことで体の臭いは軽減されます。動物性タンパク質や乳製品、油ものを取り過ぎるとアポクリン腺が刺激され皮脂腺の働きを活発にさせて臭いが出やすくなります。それ以外にもネギやにんにく、ニラなどの臭いが強いものも体臭が強くでますので控えるべきでしょう。
衣類の素材を見直す
衣類は汗を吸収し同時に臭いも吸収してしまいます。ポリエステルなどの合成繊維は臭いを吸収しやすく臭いが残りますので避けた方が良いでしょう。できるだけ天然素材を多く含む綿や麻といった素材を身につけることで臭いが生地に残りにくくなります。
お風呂でキレイにする
お風呂で体をキレイにすることが基本になります。キレイにすると言っても力強くゴシゴシと擦ると逆効果で、肌に刺激が加わり臭いを悪化させてしまう場合があります。洗う時は石鹸の泡でやさしく撫でるように洗い、洗い終わった石鹸はキレイに流しましょう。
石鹸も消臭用の石鹸がありますので普通の石鹸よりも効果がしっかりと出てきます。また、重曹やミョウバンを湯船に入れて湯船に20分ほどつかることで体臭を出にくくします。
制汗剤で消臭
ワキガの臭いを軽減させるのは、菌のエサとなる汗を抑えて、原因菌を殺菌しなくてはなりません。そのためには制汗剤などで汗を抑える必要があります。
制汗剤で臭いをキッチリと抑えられますので自分に合った制汗剤を使用するようにしましょう。皮膚が弱い方はかぶれやかゆみが出る場合がありますので肌に合わない場合は違う物にしましょう。
制汗剤には種類が豊富にあります。それぞれの特徴についてみていきましょう。
スプレータイプ
スプレータイプは一番手軽に取り扱えます。取扱いが簡単ですが効果が薄い傾向があります。
ロールタイプ
ロールタイプとは、容器の先端がボールになっていて容器内の液体を先端のロールが転がることで表面に出てきてワキで転がすことで塗られる仕組みになります。取扱いが手軽で効果も期待できます。
スティックタイプ
スティックタイプは容器内に入った固形の制汗剤をスティックノリのように回すと表面に出てきますのでそれをワキに塗って使用します。取扱いが容易で効果も期待できます。
クリームタイプ
クリームタイプは一度手にとって塗らなければなりませんのでちょっと手間がかかります。ですが効果が期待できますので臭いを抑えられます。
液体タイプ
液体タイプもビンから一度手にのせてからワキにたたき塗るようなイメージで塗りつけます。消臭効果も持続性もあり効果が期待できます。
参照ワキガのデオドラント・制汗剤選び|男のキツい臭いはこれで抑えろ!
完全に治したい場合
安全に治したい場合は病院やクリニックで手術するしかありません。手術でも完全には治らない場合もあります。ただ、確実に臭いが軽減されますので一番おすすめな方法です。
病院ですと保険も効きますので、出費が抑えられます。
皮弁法・反転剪除法
こちらは保険が適用される手術法で、ワキの下を5cm程切り裏返しアポクリン腺を見ながら取り除いていく手術です。効果が高いですが、傷跡が目立つというデメリットもあります。1週間ほどワキを固定しなければなりませんので長い休みがある時でないとできない手術です。
皮下組織掻爬法・皮下組織削除法・皮下組織吸引法
こちらは保険適用外の手術で、ワキの下を数センチ切ってそこからアポクリン腺を書き出したり吸い取ったりする方法です。傷口が目立たないというメリットがある反面、アポクリン腺を全て除去するのが難しく多少臭いが残ってしまう場合があります。
超音波吸引治療法
こちらも保険適用外になります。ワキの下を1cm程切り超音波を使用してアポクリン腺を破壊し吸引していく手術になります。傷跡が目立たないというメリットがある反面、アポクリン腺を完全に破壊させることは難しく多少残ってしまう場合があります。
このように手術をしてアポクリン腺を除去する方法がありますが、金額は数万円から数十万円と高額になります。高額なので効果は絶大で、完全になくなるか、残っても1割り程度なのでほぼ臭いはしないレベルになります。手術後は1ヶ月余り動けなかったりしますので長期休暇がない人にとっては難しいかもしれません。
ワキガの予防と対策のまとめ
ワキガの人は自分で気がついていない人も居て自分ではなかなか分かりにくいものです。
何も予防をしないとワキガの臭いは周りの人に不快感を与え、イヤな思いをさせてしまいます。
普段の生活でできる予防には食事に注意したり、衣類の素材を見直したりと簡単にできることもあります。そして、風呂ではキレイにワキを洗い、重曹やミョウバンの風呂につかることで臭いはだいぶ抑えられます。
出かける前には制汗剤で菌の繁殖を抑え時間が経っても臭わないようにしましょう。
経済的に余裕があり、休日が多く取れる場合は迷わずに手術をすることをおすすめします。高額なだけあって臭いはほぼ無くすことができますので、その後、制汗剤などの使用をしなくて済みます。
制汗剤も余り臭いがするものですと、ワキガの臭いと制汗剤の臭いが混ざり合い余計に変な臭いを出す場合がありますので出来るだけ無香料のもののほうが、臭いません。
菌が繁殖しにくいように常に清潔し、ワキの事を考えない生活を送れるようにしましょう。